2020年4月25日土曜日

シーズンアウトのためのギアのお手入れ


















こんにちは、神奈川の自宅にて活動自粛中のコンパスハウス・ディレクターTKです。

まずは過酷な状況下で危険を顧みず勤務を続ける医療従事者の皆様

本当にありがとうございます。



暖冬少雪に始まり、我々スキーヤーにとって例を見ないほど苦しかったシーズンが、いま静かに終わろうとしています。

この時勢を鑑み、春の降雪のニュースから泣く泣く目を背け、自宅で自粛を続ける同胞も多いことと思います。

3月〜4月にこんなに雪山に行かなかったことが、もといこんなにも家で過ごしたことがあったでしょうか!?

いつも山で顔を合わせる皆様にパッタリお会いできなくなり、寂しい限りです。。。

スキーが持つ魅力に図らずも改めて気付かされました。




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参考情報

非常事態宣言の発出を受け、多くのスキー場が営業を中止

バックカントリースキーは3密を避けられると山行に出られる方もおりますが

日本山岳・スポーツクライミング協会
日本勤労者山岳連盟
日本山岳会
日本山岳ガイド協会

の山岳4団体は4月20日付けで山岳愛好家に山行の自粛を要請

人気のBC、登山エリアも自治体により閉鎖されている状況です。

これは感染防御の専念をお願いした内容ですが

先月カナダの国立公園にて遭難者救助後、要救助者のコロナ陽性が確認され、

多くの山岳救助隊と医療従事者が、感染ならびに自宅待機を余儀なくされた事故が起きてしまいました。

有事の際は、同様の事態も想定されるうえ、救助隊や医療期間にも負担を掛けます。

また自治体によっては、現在山岳遭難の救助は行わないと公式に発表しているため

この状況下でのバックカントリースキーは自己責任とはいえ、オススメできません。

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さて、このコロナ禍の長期化を受け、断腸の思いでシーズンアウトを決断された方のために

この度シーズンアウトのための記事をご用意いたしました。

ゴールデンウィークもステイホーム!という掛け声も江戸の天守閣から聞こえてきましたので

今春のシーズンアウトは、時間に余裕があると思われます。

今シーズンお世話になったギアに感謝の思いを込めつつ

そして来たる次の冬が素晴らしいシーズンであるよう祈りつつ

いつにも増して入念に道具のお手入れをして、半年間お休みしてもらいましょう。



スキーは山道具なしでは成立しません。

山道具は時に命を預けるパートナーです。

安全な山旅は道具のお手入れから。

今シーズンの思い出に浸りつつ

こういう時にしか出来ないことを、楽しみながらお手入れしましょう!




スキー板



まず最初に思いつくメンテナンスは、スキー板ですね。


①水気を乾かす

②汚れを落とす
  ブラシ
   ↓
  リムーバー
   ↓
  クリーニングワックス

③傷があればリペア
  滑走面やエッジのダメージもピーテックスである程度でしたら補修可能です。
  詳しくはコンパスハウスまでお問い合わせください。

④エッジのサビ落とし
  リムーバーで落ちないサビは専用イレイサーかヤスリで磨く

⑤ホットワックス
  くれぐれもスクレーパーで剥がさず、塗りっぱなしで!
  滑走面を露出させないことで、酸化を防ぎます。


この全ての行程が面倒な方でも、①と⑤だけは施工することをオススメします

ARMADAのように良い滑走面を使用している板ほど、メンテナンスによって差が出ます!

来季はタナー・ホールもビックリするほど走る板を、今から作りましょう!



ウェア(シェル)


板のメンテナンスに注力しがちですが、ウェアのメンテナンスも重要です。

これを怠ると、ゴアテックス採用の高額ウェアも台無しに。。。


そればかりか、山でインナーを濡らしたり、汗をかいたりと、低体温症や疲労を起こす原因になりかねません。

メンテナンス次第で、水分を玉のようにコロコロ弾くウェアと、


シミのように水気が滲むウェアと、ビックリするくらい差が出ます。

あなたのウェア濡れ、商品の品質のせいにしてないですか?


現代のウェアは高品質なものが多いので、きっちりメンテナンスして来冬も快適に過ごしましょう!



①目立つ汚れを落とす
  土や雪垢、皮脂汚れなどは劣化の原因なので落としましょう
  特にエリ周り、袖周り、お尻、ヒザが汚れがちです

②破れを直す
  小さなカギ裂きは専用リペアテープで(コンパスハウスに在庫少々あり)
  大きな穴はメーカーリペアにお願いしましょう

③ウェア専用洗剤でクリーニング
  市販の専用洗剤を使います
  (グランジャーズかニクワックスが一般的かと思います) 
  (ダウン用洗剤と間違えないように)
  通常の洗剤はNG!
  洗剤のカスがゴアテックス生地の空気穴に詰まり、通気できなくしてしまいます
  同じ理由で柔軟剤も厳禁です
  汚れが落ちやすいので、できればぬるま湯をオススメいたします
  洗濯タグを見て、手洗いか洗濯機か判断しましょう
  洗濯機の場合、洗濯ネットの利用をオススメいたします
  ポケットの中身は全て出し、すべてのジップを閉じてください
  (防水ジップ利用のウェアが多いため)

④専用液剤で防水コーティング
  クリーニング後、洗濯機の脱水機能は使わず軽く乾かし、コーティングに入ります
  クリーニング専用洗剤での洗濯と同様に洗濯機で洗います
  脱水をかけずに軽く乾かします
  
⑤乾燥機で熱をかける
  熱をかけることが重要です
  それによりウェア表面にある目に見えない撥水基がケバ立ち、水をコロコロ弾きます
  (ハスの葉と同じ原理です)
  アイロンで処理する方もいるようですが、乾燥機をお勧めします
  ドライヤーは熱ムラが発生するためお勧めしません
  乾燥機をお持ちでなくてもコインランドリーへGOしてください!
  それだけの効果はあります!笑

⑥陽の当たらない乾燥した部屋で干した状態で保管

※液剤のブランドによって使用方法に違いがあるので、使用方法確認のこと
※防水スプレーは表面を覆ってしまい、生地の通気性が損なわれるのでオススメしません


防水透湿ウェア専用洗剤グランジャーズ




ダウン


①目立つ汚れを落とす

②破れを直す

③ダウン専用洗剤でクリーニング
  市販の専用洗剤を使います
  (グランジャーズかニクワックスが一般的かと思います) 
  (ダウン専用があります。ウェア用洗剤と間違えないように)
  通常の洗剤はNG!
  柔軟剤は厳禁です
  できればぬるま湯がベストです
  洗濯タグを見て、手洗いか洗濯機か判断しましょう
  洗濯機の場合、洗濯ネットの利用を強くオススメいたします
  ポケットの中身は全て出し、すべてのジップを閉じてください
  (防水ジップ利用のウェアが多いため)

④脱水をかけずに軽く乾燥させる

⑤乾燥機で熱をかける
  熱をかけることが重要です
  可能ならテニスボールを同時に放り込みパンチングさせてください
  そうすることでロフト(羽毛のかさ)がフワフワに戻ります
  乾燥機をお持ちでなくてもコインランドリーへGOしてください!
  それだけの価値はあります!笑

⑥陽の当たらない乾燥した部屋で『平置きにして』軽く畳み保管
  ダウンはハンガー保管NGです
  半年間かけっぱなしだと重力で羽毛が下に落ち、ペタンコになります

※以上はダウンのメンテナンス方法です。
化学繊維を使用したインサレーション(中間着)、もしくはフリースの場合は、
中性洗剤丸洗いでOK、加熱は不要です!
ただし洗濯ネット利用をお勧めいたします。






ブーツ



ブーツも保管方法次第では圧倒的に劣化を早めます

①シェルの土汚れ・雪垢を念入りに落とす

②インナーとインソールを抜き、完全に乾燥させる
  シェルに入れたままだと、数ヶ月経っても湿っている事例あり

③ビスやバックルの緩みを確認・修正

④シェルに戻さず保管





ポール



①乾かした後、汚れを落とす
  グリップ・伸縮内部もシッカリ

②伸縮ポールは外した状態で保管





グローブ



①汚れを落とす
  革製のグローブは洗えません
  革製の場合、中性洗剤を染み込ませた布で念入りに汚れを拭き取ってください
  (インナーが外せるものは外してインナーだけ洗う)
  化学繊維製のグローブは、ウェアと同様に洗濯しても構いません

②革の部分にはバーム(グローブ専用オイル)を塗り込み、乾燥を防ぐ

③完全に乾燥させ、できればそのまま保管
  陽が当たらない、風通しの良い室内が理想です
 
グローブに指を通し、ハンドクリームの要領でバームを塗りこむ





バックパック






















①中のゴミや砂などを全て掃除

②汚れを落とす
  汚れは全ての劣化の原因です

③しつこい汚れは中性洗剤とぬるま湯に浸したタオルで拭き取る

④それでも落ちなければブラシで擦り取る

⑤完全に乾燥させ、バックルとジップを全て締め、写真のようにハンガー掛けして保管
  陽の当たらない風通しの良い室内が理想です  







ゴーグル



















①レンズを一旦外し、ダブルレンズの内側まで確実に乾燥させる

②専用クロスで水気と汚れをしっかり拭き取る

③保管時はスポンジ側(顔に触れる側)を下に置かない
  スポンジが変形します

④スペアレンズにもゴーグルソックやクロスを被せる 
  レンズが露出したままの保管は厳禁























ビーコン

(ヘッドライトも同様)




①電源をオフ

②電池を外す
  半年電池を入れたままにすると端子が劣化するか、電池が劣化します

③電池ボックスはホコリが入らないように蓋をする

③残量の多い電池は、写真のようにテーピングしておくと半年後にスムーズに利用できます
  写真左のビーコン参照・その場合確実に残量を確認してから山行してください
  残量の違う電池同士を組み合わせて利用することはNG


ヘッドライトも同様





※電池の誤使用により劣化した端子
  種類の違う電池や残量の異なる電池を組み合わせた場合、
  液ダレや端子の劣化などが発生します
  いざという時に起動しないこともありますので要注意です









シール




①完全に乾燥させる

②乾拭きで起毛面の汚れをしっかり落とす

③グルー面(接着面)のゴミをできるだけ取り除く

④グルー面(接着面)にクッキングシートを貼り、できるだけ空気に触れさせない  
   チートシートやクロスのままだとベタ付きやすい

⑤優しく畳んで、極力26℃以下の乾燥した室内に保管する
   可能なら15℃以下が理想です(冷蔵庫がベスト)

※粘着が弱くなっている場合、シーズンイン直前に起毛面から
アイロンをかけると粘着力が復活することがあります








まとめ


以上、一般的な山道具の保管方法でした。

(ブランドによっては、特殊なメンテナンス方法を推奨する場合もあるので、

どの道具も必ず説明書を一読ください)

一貫して言えることは

・よく乾かす
・汚れをとる
・風通しの良い乾燥した室内で保管

ということです。

水分・土汚れ・湿度は、物質を分解・劣化させます。

アイゼン、ピッケル、カラビナ、シュラフ、山岳テント、コッヘルなどのハードギアも

基本的には同じ考えです。

(金属のパーツはしっかりサビを落とし、スパイクや剣先はヤスリで磨いておく)

しっかりメンテナンスすれば、山道具にはより愛着が湧くものです。

何より安全性や快適性が格段に向上します。

ご不明点があればお気軽に私河口、もしくはコンパスハウスまでお尋ねください。

それでは安全に春を切り抜け、オフシーズンを充実させ、また初冬に笑顔でお会いしましょう!!





コンパスハウス
TK


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