2023年5月12日金曜日

【御礼】心揺さぶられる瞬間を過ごしていますか?

コンパスハウス主催バックカントリーツアーを大切にしてくださるあなたへ綴る手記






早いもので、白く輝く冬は私たちのもとをあっという間に駆け抜け

新緑眩しい初夏へと一変してしまいました。

街ゆく人たちは春の到来を喜ぶのに、私たちスキーヤー・スノーボーダーはこの季節を憂います。




今冬最後の『旅するBCツアー野沢』の結びに参加者のみなさまから感想を伺っている際

あなたはシーズンの終わりを寂しがるだけでなく、涙を流してくださいました。


冬が終わる寂しさの涙

しばらくの間、仲間とお別れとなる切なさの涙

そしてツアーのコミュニティへの感謝の涙


手前味噌ながら私はそう解釈いたしました。



そしてシーズン終了を迎えた皆様は、口を揃えて『ありがとう』とお伝えくださいました。


『ありがとう』は、本来ですと謝礼を頂いている私のセリフのはず。

でも皆様『ありがとう』とお伝えくださいます。

さらに、今シーズンいただいた『ありがとう』はいつもより多く、いつもよりも胸に響きました。











日常生活において、果たして大人が

ひと目をはばからず大声を出して無邪気に歓喜する瞬間があるでしょうか?

たった1日で心を通わすほど濃厚な出会いがあるでしょうか?

そして、人前で涙を流すことがあるでしょうか?

こんなにも心揺さぶる瞬間の連続があるでしょうか?



それほどまでに、未踏の大自然を舞台にしたバックカントリーツアーは、心を剥き出しにさせる時間であり、

私たちの提案する『旅するBC』は、心を揺さぶる集いの場であったのだと、まさに劇場であったのだと、私自身が知らされました。

そしてもらい涙をした私にとっても、とても大切な場所なんだと改めて気づきました。

同時にそこまで思ってくださっていることに、適当なガイド仕事の1日では済ませられない責任を痛感しました。












私がヘッドガイドとして、コンパスハウスにて自らツアーを定期開催するようになって、早いもので4シーズン。

その間には多くの葛藤と悔しさを募らせた日々があります。


わざわざ命を懸けて、リスクに身を投じてまで雪山を職場にせずとも、もっと効率的で安全なビジネスはありますが

そこまでリスクを負っても、なお多くの叱咤激励や誹謗をいただき、心が折れたこともあります。


現実は、側から見るほどキラキラしたスキーライフではありません。

金持ちになることも叶いません。


そもそもひとりきりで毎日スキーを続けるほど、私は強くありません。

それでも懲りずに、天気が悪くても、体調が優れなくても、私は毎日毎日雪山を登り、山を偵察し、今日も滑っています。


それは、大好きで大好きで子供の頃からずっと続けていたスキーが、いつしか仕事になり、気付かぬうちにあなたを喜ばせていることを知ってしまったからです。


あなたが期待してくださるから。

あなたを喜ばせたいから。

あなたの歓喜の瞬間に立ち会いたいから。

あなたに人生を豊かにする生きがいを提案したいから。

あなたに非日常の経験と思い出を提供したいから。

そうです。

あなたと心揺さぶる瞬間を共有したいから。


あなたのために私は雪山へ通い続けます。








支えてくれる家族も仲間たちも、

コンパスハウスもスポンサー各社も、

私がスキーを続けるうえで不可欠です。


でも。

あなたがいなければ活動になりません。

あなたがいて初めて私はプロとしていられるのです。


私よりも立派で強いガイドはおります。

私よりも上手いスキーヤーはもっとたくさんおります。

でもあなたとの時間を願い、あなたのために滑っているプロスキーヤーは、世界に私だけです。








これからも共に旅しましょう。

心揺さぶる出会いと、心揺さぶる景色と、大人が無邪気に歓喜する瞬間を求めて。


スキーをもっと楽しく。もっと自由に。




コンパスハウス・ディレクター

ヘッドガイド

河口 TKY 尭矢










追記


気持ちの赴くまま、思いの溢れるまま、涙を拭いながらお礼を書き留めました。

今冬少しでもコンパスハウスに関わってくださったみなさまに感謝を込めて。


野沢にいらっしゃるために、

遠い距離を運転して、

高い交通費を払って、

夜通し運転して、

無理やり休みをとって、

あらゆる無理をして来てくださるあなたに感謝は尽きません。


スキー(スノーボードも同義)は素晴らしいスポーツです。

日常にはないスピード感

雪を滑るグライド感

重力に身を預ける浮遊感


それが、バックカントリーに遊びに出るだけで、スキーはスポーツから、自然と対峙するスピリチュアルな遊びに昇華するのです。


都会よりも空は青く

雪に覆われた森はスキー場よりも輝く

一期一会の景色に胸躍らせ

手付かずの山を縦横無尽に滑り尽くす

振り返るとスキーの機動力に驚くばかり

雪さえ降ればどこでも遊び場になるし

天候や雪質、風向きに合わせて舵をとり

時間やエリアの制限なく自然と戯れる


自然のバイブスを体いっぱいに感じるのです。

その感動を共有するからこそ、バックカントリーで共に遊ぶ仲間とは、距離が一気に近くなると思っています。


安全管理は大前提。

このカルチャーがスキー道場である野沢温泉に根付き、愛好家の輪が広がることを願って。



Special Thanks 

代表上野雄大

BCアシスタント194Channel

BCアシスタント中田J

マネージャーMana Daigo TOMO めぐる

スタッフ各位




































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