2018年3月17日土曜日

春のギアの管理 TKY


こんにちは


Compass House ブーツフィッターのTKYです。

すっかり春ですね。

春を迎えてギアの具合が悪くなるという話をよく耳にしますが

それは劣化ではなく、気温の変化です。

気温の変化により、ギアの管理方法が大きく変わります。

以下に情報を提供いたしますのでご参照ください。




なぜ春は管理が変わるの?


日本の山は標高が低いので、この時期からは日中 氷点下を上回ることが多くなります。

(気温+0℃以上)

スキーギアは氷点下での使用を想定して作られている

そして気温0℃から上は、雪が水に変わる

ということで、気温が0℃を越えるこれからの時期は、厳冬期とギアの扱いが大きく異なります。




【ブーツ】


まずは私の専門分野、ブーツについて

春はブーツが緩みます。



ブーツが緩む理由


スキーギアも氷点下での使用を想定して作られているので、春はメーカーが本来想定するフレックス(硬さ)が実現されなくなります。

フレックス130のブーツが緩んで、120相当(気温次第では110相当)となってしまうこともあります。

そしてラスト(ブーツ幅)も若干ですが広がります。



ブーツが緩むとどうなるか


ブーツが緩むと一般的には踏みやすくなりますが、厳冬期と違う感触となることで、痛みが出ることがあります。

これまでになかった箇所が当たり出したり

足の固定が悪くなることで靴擦れのような痛みが出たり

そう、ブーツはキツイくて痛いだけでなく、緩くても痛いのです。

これは春に限った話で、次のシーズンの厳冬期に氷点下で使用した場合においては、具合は戻ります。

春を迎えてブーツが痛くなったからといって、ブーツの調子が悪くなったわけではないのでご安心ください。

そして次のブーツ選びでさらに大きなサイズに変更することはやめてください。

(一般的にブーツが痛いと大きなサイズに変える傾向が見受けられますが、これは大きな間違いです。)



どうしたら良くなる?


まずはバックルを増し締めしてください。

これで改善することも多々あります。

それでも改善しない場合は、春用のフィッティング(締め込み)をしてあげる必要があります。

冬の間連れ添ったパートナー(スキーブーツ)です。

残りの1ヶ月も仲良くお付き合いしましょう。

コンパスハウス TKYまでお気軽にお越しください。


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河口 TKY Compass House 出勤

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ブーツフィッティングは空席確認、もしくは予約してのご来店をお願いしております






【ウェア】


気温0℃を超えると雨が降り、雪は溶けます。

ウェアはその役割を、防寒から防水へと変えます。



レイアリング(着こなし)


気温の上昇に加えて、空気中や雪面に水分が増えることで、人は汗をかき、ウェアには結露が起こります。

インナーやウェアは頻繁に濡れるようになります。

インナーやウェアの濡れは、夕方以降に気温が低下すると体を冷やしてしまします。

体が冷えると思うように滑れず、楽しめないだけでなく、場合によってはケガにつながります。

バックカントリーにおいては、低体温症などの致命的ミスになり兼ねません。

まずは汗をかかない工夫をしましょう。

そしてインナーを濡らさないよう努めましょう。



レイアリングの提案


アウターはインサレーション(中綿)のないタイプ → 俗に言うシェル

ミッドレイヤーは着ずに携行

インナーは吸汗速乾タイプ

発熱タイプのインナーは汗をかくだけなので使用厳禁



ウェアの撥水


降雪より降水の機会が増えるのに加え、厳冬期を過ごしたウェアは撥水機能が落ちています。

でも諦めるのは早い!

撥水機能は復活します!!

現場で雨に打たれる前に、撥水を復活させておきましょう。


①クリーニング → シェル用クリーナーにてまずは洗う

②撥水コート → 撥水機能のある洗剤にて洗う

③撥水機能復活 → 乾燥機にて加熱


この3ステップが必要となります。

ひとつでも欠けると何かしらの支障が出うるので、面倒でも確実に作業しましょう。

クリーナーと撥水コートに関してはコンパスハウスまでお問い合わせください。




【グローブやゴーグルといった小物】


ゲレンデベースはプラスの気温

山頂はマイナスの気温

ということは珍しくありません。

小物も濡らさない工夫をしましょう。



濡らすとどうなる?


麓で濡れた水分が山頂にて凍りつき、小物が機能しなくなります。

そして体を冷やす一因となりえます。

バックカントリーにおいてゴーグルが見えない、グローブが凍っているというのは深刻なダメージです。

ケアは怠らず、できればスペアを持ち歩きましょう。



注意すべきは?


これはグローブとゴーグルに限った話ではありません。

プローブ・ショベル・ロープ・ラチェット

究極はスキーのソール(滑走面)など

あらゆる道具に言えることです。

凍りついたギアは機能しません。






このように、春は全てのギアにあらゆる変化が起こります。

重ねますが、春はギアの具合が悪いと思っていた方

それは劣化ではなく、気温の変化です。

0℃を越えるとあらゆる変化が起こります。

0℃を意識した行動に努め、ギアのメンテナンスをして備えましょう。




詳細は、現場を知り尽くしたコンパススタッフ

もしくはTKYまで


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